事業用不動産は住宅と比べても数が少なく、ネットに情報公開される前に成約している所も実は結構あるんです!テナントを探す上で大切なことは事業用の不動産に強い不動産業者に直接依頼をすることで、例えばロードサイドなどの市場に公開されていない物件の紹介をしてくれる可能性もあります!
この記事では、テナント探しに強い不動産業者の特徴について説明します。これらの特徴を持つ業者を選ぶことで、成功したテナント探しを実現できるでしょう。また、本記事は埼玉県内で事業用不動産の仲介から管理、サブリース契約などあらゆる運用を行っている企業勤めの筆者が執筆しています。
物件を貸したい・借りたい双方の視点から有益となるよう解説を致します!
テナント探しは事業用を扱う地場不動産業者に依頼
大前提として、事業用不動産を探す場合は事業用に強い不動産業者に依頼をすることがおすすめです。
例えば、住宅をメインを扱う不動産業者の場合は未公開の土地情報などを保有しますが、事業用メインの不動産業者は地域のテナント情報網が発達しているので、テナントが入居中の物件でも解約期間を把握しているケースがあり前のテナントが退店された翌月に次のテナントを付けるなんてことも度々行っています。
実はテナント物件の大半が、前テナントの解約期間中に次のテナントを決めているのです。もちろん、前テナントが営業中に次が決まるということは、そうした情報がネットにでることはありません。ちなみに仕組みとしては下記のような形となります。
- 事業用物件の解約予告は3~6ヶ月
- 解約通知を受けた段階で次のテナントに物件情報を提供
- 解約月の翌月に新テナントと賃貸契約
立地や条件の良い物件はこのような流れで決まることになるので市場に情報がでることはありません。では、新規契約をしたテナントはどうやってこの情報を知り得たのかということですが、これは事前に不動産業者へこうした条件の物件が出た際に情報提供するよう依頼を掛けておくのです。
筆者の企業で言えば、貸倉庫とロードサイドの店舗に特に強い傾向にあるので、運送業者や飲食店、ドラッグストアなどの顧客から日々様々な依頼を受けます。そうした所へ情報が入り次第、先だって提案を行っていくのです。
対して、住居系に強い不動産業者に依頼をしてもそうした情報の蓄積がないためネット掲載がされた段階など一歩遅れて情報を受けることが往々にしてあります。
餅は餅屋と言った言葉がありますが、事業用不動産については正にその通りで、例えばオーナー様目線から見てもいい物件なのにすぐにテナントが決まらないという場合は、募集条件が相場からかけ離れているか、知り合いの住居系に強い不動産業者に頼んでいるというケースがよく見受けられます。
テナント探しに強い不動産業者の探し方
では、実際にどのような不動産業者が事業用物件に強いのか?という部分ですが、これは地域知識とネットワークを構築している不動産業者ということになります。
テナント探しに強い不動産業者は、特定の地域に詳しく、その地域の賃貸市場に関する幅広い知識を持っていますし、地域の需要と供給のバランス、賃料相場、人気のある地域などについて把握しています。また、地域の不動産所有者や他の不動産業者との強力なネットワークを持っているため、優れたテナントの情報にアクセスできる可能性が高いです。
更に具体的なお話をすると下記の要件に注意して物件を探せばより効率的に理想の物件を集めることができます。
物件希望地の市内もしくは隣接市にある不動産業者へ依頼
例えば本社が東京にあり、この度埼玉県川越市に新規店舗や営業所を開業するとしましょう。
テナント様の中で多いのが、都内の本社が近いという理由で都内の事業用不動産をメインに扱う不動産業者に川越市の物件を依頼すること。これよりも、川越市内の業者へ直接依頼を掛ける事の方が遙かに良い物件にたどり着ける可能性が高いです。
当然ですが県をまたぐと・・・いくら専門に扱っているとは言え、生の情報は入手しづらいです。もちろん、筆者の会社に東京や名古屋の物件を探してくれと言われても迅速に物件情報を出すことは難しいです。
前述した最新のネットに出ない物件を知りたいということであれば、それこそ地場の不動産業者に頼らざる負えない部分がありますので、本格的に物件を探すのであれば少なくとも物件希望地の市内にある業者に頼むことが効率が良いと言えます。
なお、筆者の企業を例にすると川越市はもちろん東武東上線・西武新宿線の通る市町村であれば情報交換や提携している不動産業者が各市町村にいますので物件情報が入ればすぐに提供することができます。
何が言いたいのかと言いますと・・・そうした独自のネットワーク網に入ることができるか?というのが事業用物件を探す上で最も重要なことであると思っております。
また、そうしたネットワーク網を構築している不動産業者に共通している点は主に下記が挙げられると思います。
- 歴史がある
- 住居系の情報をのせていない
- 管理物件が多い
- 希望地に看板等をたくさん見かける
何事も手前味噌で恐縮ではありますが、筆者企業を例にすると創業から50年以上、事業用の管理物件は400棟以上など歴史のある不動産業者の中にはそれだけ多くの地主様とも関わりがあります。
また、言い方は悪いですがたまに見かけるあまり綺麗でない(古い)不動産屋の中にも決して市場に出ることのない代々築き上げられてきた物件情報があることも実は多いのです。
筆者の企業で言えば、こうした不動産業者様とも長年の付き合いがあり物件情報を提供することが許されているので常に豊富な情報量をもって日々契約の仲介等ができている部分もあります。
店舗や倉庫、事業用の貸地などは住居とは違い特殊な市場であることは間違いありません。また、なぜネットにでない情報が豊富にあるのかというと事業用物件ならではの理由もあるのです。
ネットに事業用物件情報がでない理由
事業用物件がネットに出ない理由は主に需要と供給のバランスです。
いつ何時も、物件を貸したい情報よりも借りたい要望の方が多くいわば順番待ちをしている状況に近いのです。特に前述しましたが、良い物件は前のテナントが営業中に次が決まることが多いわけですが、考えても見ると現テナントの解約が決まっている中であっても営業中であればネットで募集することは通常できませんよね?現テナントにとって失礼にあたりますし個人情報の関係もありますから。
こうした理由から主にネットに出ないまま物件が次々と決まっていくわけです。
反対にオーナー様にとってはこうした入れ替わるような契約の流れは家賃収入を切らすことなく収益化できる側面から喜ばれる傾向にあります。事業用物件についてはこうした特殊な事情もあることがテナント探しに強い不動産業者を探すことが特に大切であると言えるのです!