【最高300万!?】建売住宅の値引き交渉ができるケースと注意点

最近の建売住宅は、標準で住宅性能表示の最高等級や長期優良住宅の認定が受けれるなど、手頃な価格ながら品質も日々進歩を遂げており、個人的にはローコストの注文住宅とそこまで大差がないと思っている元ハウスメーカーの筆者です。

 

しかし、安いと言っても更に安く買いたい!というのが人間の性です。

 

今回は、建売を購入する上で行う値引きについて実際どれくらいの方が値引きをしたのか?購入者100人へのアンケート調査及び実務上で建売の値引きが起きやすいケースについて詳しく解説をしていきます。

 

建売の値引き相場アンケート調査

建売購入値引きアンケート

※クラウドソージングサイトにて100名アンケートを実施

 

実際の購入者へ向けたアンケートを行うと実際に値引きを行って購入した方は約半数の48%となりました。

 

そして、気になる金額についてですが値引き額については物件価格の1~3%が最も多い結果となり、最大の値引き額が300万という回答もありました。

 

値引き無し口コミ

埼玉県:お茶さん
指値(値引き)をした上で買付申込書を売主送りましたが、満額での購入が条件となり値引きはできませんでした。ちなみに仲介の担当によると、人気エリアで予め値引きは難しいと言われていました。


埼玉県:ネオンさん
申込みをした時点で申込みが3件あり、値引きは受付けて貰えず満額提示&事前ローンが既に通っていたという理由で自分が購入することができました。


埼玉県:しゅんあああさん
売主である建売業者とは良好な関係を築いていきたかったので値引き交渉はしていません。


東京都:AKKKさん
以前から目を付けていた建売が100万安くなったタイミングで買付けを出しました。自分から値引きの交渉はしていません。


埼玉県:流星さん
売出しすぐの物件だったので値引きはできないと売主に言われました。


埼玉県:ぉぉさん
一度値引き交渉を仲介業者に依頼しましたが売主からは現金決済であれば話しを聞くという内容でした。もちろん、現金一括は無理なのでローンを組んで満額購入です。

 

値引き有りの口コミ

東京都:しゅううんてい孝三さん
4980万の物件を4900万で購入。端数は値引きするので引越し代に使ってくださいと言われ、取引自体もとても気持ちよく出来ました。


埼玉県:山田 さん
6区画の分譲地最後の1棟を購入。値引きは4480万から30万です。私が買付けを入れる前に100万物件価格が下がっていたらしく大幅な値引きはできませんでした。


埼玉県:川口LOVE さん
物件がしばらく決まらず、ずーっとスーモを眺めていたのですが、いつまでの売れていない物件があり、それは当初の販売価格から既に400万も値下がっていた。エリア的には希望ということで買付け出したのですが、結果的にそこから更に100万の値引きができました。


東京都:HIHHさん
現金一括の決済で200引き指値で買付け出しました。さすがに200万は不可でしたが結果的に5600万の物件が5500万で買えたので満足。


埼玉県:水上そのの さん
あえて同エリアの他業者の名前を出してどちらか迷っていると話しをすると、120万の値引きを了承してもらえました!厚かましいようですが、結構な金額が変わったので大満足しています。笑


東京都:りゅうーきさん
売れ残り最後の1区画がありどうしても欲しいながら資金計画が本当にカツカツ・・・6400万の物件でしたが、6000万で買付けを出したところ拒否されました。しかし、2ヶ月後まだその物件が残っていたので再度買付けを出して交渉すると6100万で売却を了承してもらえました!

 

値引き額については、物件の立地や条件、時期などによって可となる場合もあれば不可となる場合もあります。下記においては筆者が実務上で感じる値引きの起きやすいタイミングやパターンについて解説しますので是非参考にしてください。

 

値下げが起きるタイミング

建売の中には、自分から指値(値引き)の交渉を行わなくても、時間が経過すると共に物件価格が下がっていくことがあります。これは特に建売最大手とも言われる飯田グループホールディングスの物件によくあることで、建物完成時点から1~3ヶ月経過してもなお売れない物件については値下げをして再販売されるケースがあります。

 

ちなみに値下げ額については100万づつ下がっていくケースが多いようです。もちろん、店舗や立地によって値下げが行われないケースもありますが、こうした時間の経過によって値下げが起きる理由としては建売業者の多くは資金を借りて着工→資金回収を繰り返す自転車操業のようなビジネスモデルとなるためです。

 

また、新築の場合でも建物完成から1年を経過すると「新築」としての販売ができなくなり、「未入居物件」という扱いになるので建売業者はそれを防ぐためにも早めに売り切りたいと考え値下げすることが多いのです。

 

筆者
それなら値下げが起きるまで待てばいいのでは?と思うかもしれませんが、同じように考えている人は多く値下げのタイミングで申込みが被ることがよくあります。

 

値引き交渉をしやすい物件

上述のように建売については値引き交渉をする前に物件の価格が下がっていくことがあります。しかし、自分自身が買付申込書を送る際にそこから値引き交渉に応じてくれるケースもあるので更にお得に購入ができる可能性があります。

 

ここでは建売販売も行っていた元ハウスメーカーの筆者が実務上で感じる値下げ交渉のしやすい物件について解説です。

 

大手パワービルダー・建売業者の物件

事業の規模の大きいパワービルダーは様々な現場で開発を行っており、中には売れ残りとなってしまう物件も抱え込んでいるケースもあって値引き交渉はしやすい傾向にあります。

 

もちろん全てがというわけではありませんが、大手は個々の売上よりも回転率を重視する傾向にあるので、突き詰めて見ると土地の買取も貪欲で多くの棟数を手がけようとする傾向があり、すぐには売れないような土地も仕入れていたりします。

 

そんな土地に建つ建売の購入を検討しているのであれば、交渉の余地はあると言えるでしょう。

 

筆者
イメージとしては全体で利益が取れれば良しという考えがあるので物件によっては赤字に近い価格で捌くこともためらわないのです。

 

決算期の月や前月

完全な会社都合の理由となりますが、決算期の月や前月は値引き交渉がしやすくなります。特に店舗の目標数字などが達成できていない場合などは100万値引きするから今月に決済してくれと売主側から言われるケースもありました。

 

そのため、購入を検討している業者の決算月は把握しておくとよいかもしれません。ただし、注意点としては建売業者に送金が完了する決済を決算月までに終わらせなければならないため、例えば3月決算の会社だと3月の1週目までには銀行の事前審査を終えていないとスケジュール的に厳しいのでこの点は頭に入れておきましょう。

 

多区画の分譲地

5~20棟と言った大規模な分譲地で販売されている建売は完売までに時間が掛かるケースが多く、売出し後に中々所有者が決まらない場合や最後の一棟などは値引き交渉に応じて貰える可能性があります。

 

特に売出しをはじめてから数ヶ月の間で10区画中2区画しか購入が決まらないなどの物件は在庫の回転率に大きな影響を与えることになるので建売業者は早く手離れしたい内心思っていることもしばしば。

 

周辺相場と大きく乖離している物件

周辺に存在する他業者の新築に比べて明らかに高いという場合は値引き交渉の余地があります。もちろん、建売業者によって使用している建材のグレードは異なるので同じ立地でも差異がでるのは当然ですが、建物価格が1000万も違うと高い物件の方が利益率が高いケースが多々あるので交渉に応じて貰える可能性が高いと言えます。

 

土地相場を路線価や公示価格等で確認して、物件価格が高いと感じるのであれば売主や仲介業者に相談してみましょう。特に経験のある仲介業者であれば仕様の説明を聞いた上で値引きが現実的かの判断をしてもらえるはずです。

 

事前審査承認済み・現金決済の場合

これは物件ではなく買主となるあなたの問題であるのですが、交渉前に物件価格をもとにする銀行の事前審査が承認されていたり、現金で購入ができる証明をできると交渉が有利に進みやすくなります。

 

民間金融機関の銀行ローンは事前審査を通過すると本審査もよほどのことがない限り承認されるので、売主にとってもお金の問題はないお客様という認識なるので価格交渉の土俵に上がることができるのです。

 

ただし、住宅金融支援機構の提供するフラット35については事前審査を通過しても本審査で新しい審査項目が加わるため事前審査承認→本審査否認となるケースもあるので、フラット35の事前承認については交渉材料としては弱い可能性があります。

 

なぜこうした資金面の信用が大事なのかと言うと、価格交渉を伴う買付申込書の送付から実際の決済は数週間の時間が掛かるので、その間は他の購入希望者からの問い合わせは保留となります。

 

もし買主のローンが本審査時に否認されてしまうと契約が白紙解約となり、それまでの時間が売主にとって大きな機会損失となるのです。そのため、売主にとって買主の支払い方法は真っ先に知りたい情報でもあるのです。

 

筆者
ネット上ではさも値引きが当たり前のように書いている所もありますが、それは間違いです。実務上では買主と売主は対等の関係になるので物件の条件を精査したうえで話しを詰める必要があります。

 

値引きができない・難しいケース

建売の中には当然ながら値引きが難しい物件もあれば、断られることだってあります。ここでは実務上で経験する値引きができない物件の個別要因について解説します。

 

値下げ直後の物件

前述のように建売の多くは一定期間を経過すると段階的に値下げをして販売されていることが多いです。例えば、先週に100万の値下げを行っていた物件に100万の値引きを条件とした買付申込書の送付は断られる可能性が高いです。

 

具体的には値下げを行うと必ずと言っていいほど問い合わせが増えるので、建売業者はその中のお客様から最も高く買ってくれる買主を待っていることになります。

 

地場の工務店が作る建売

地域密着の運営をする地場工務店の建売物件は値下げ交渉が難しいです。これは、パワービルダーと違って資金面の余力が少ないことから1件1件の物件で確実に利益を出そうするためです。

 

ただし、こちらも売出しから1年近く経過している場合など、タイミングによっては値引き交渉を受けてくれる場合もあります。

 

購入希望者が他にいる場合

不動産取引は購入の申込みを行った順に買えるわけではなく、一番良い条件を出した人が優先的に買える傾向の強い取引です。

 

例えば、4月1日に100万の値引きを条件とした買付申込書を送ったA氏と、4月3日に満額で買付申込書を送ったB氏ではB氏が優先される傾向にあると言うことです。

 

これは特に物件の値下げをした直後によく起きることであり、申込みが被る場合は少しでも良い条件の買主と建売業者は取引をしようとします。

 

ちなみに売買契約書については当然法的な拘束力を持つ書面になりますが、買付申込書は購入の意思表示に行うためのものであり、法的な拘束力はなく違法ではありません。

 

人気エリアの物件

駅近や特定の市町村など、販売をすればすぐに売れることが予想されるエリアの物件については値引き交渉は基本できないと考えていた方が良いでしょう。

 

具体的には渋谷区松濤などは物件すらまともにでることがない人気エリアになりますが、こうした基本すぐに売れてしまうエリアについては値引きをする必要がないためです。

 

ちなみにこちらに関連するものではありますが、周辺に他業者の販売物件がない場合などもその建売の希少性が高まり値引きが難しくなることがあります。

 

筆者
埼玉県で言うと浦和区や駅徒歩3分圏内の物件などは需要が高く値引きが難しいです。

値引き交渉のタイミングはいつ?

実際に値引き交渉を行いたい場合にどのタイミングで行えば良いのかと言うと、それは買付申込書を売主に提出する段階です。それ以前でも以降でも値引き交渉は基本的にはできません。

 

値引き交渉を行うタイミング

【STEP1】物件を内見する


【STEP2】購入物件に合わせた住宅ローンの事前審査を行う


【STEP3】事前審査の承認が下りる


【STEP4】買付申込書を送る←この段階で価格交渉


【STEP5】売買契約を交わす

 

買付申込書を送った後に銀行の審査を行う場合もありますが、値引き交渉を前提とする場合は上記の流れで進むのが理想です。

 

買付申込書の記載事項

 

買付申込書に法的拘束力はないと前述で申し上げましたが、購入の意思表示を行うための書面であるので重要なステップあることは間違いないです。ちなみに各社でフォーマットは違いますが、主に以下の内容を記載して送付します。

 

  • 購入希望金額
  • 契約の予定日
  • 引き渡しの予定日
  • 手付け金の額
  • 利用する住宅ローンの金融機関
  • 住宅ローンの借入予定額

 

いわば契約の前段階の確認という意味合いがあります。売主側にも当然誰に販売するかの権利がありますので、買主の属性やスケジュールについて確認を行い、合意に至れば次の売買契約へステップが進みます。

 

ちなみに、買付申込書自体に法的な拘束力がないと申し上げましたが、この時点ではキャンセルに対する違約金は発生しません。

 

筆者
少なくとも物件の内見後にはローンの事前審査をするのがおすすめです。事前審査は源泉徴収票、身分証明、認め印、既存の借入状況などの書面を用意することで審査ができます。

 

値引きの限界裏話

建売の値引き交渉は物件によって異なるので一概には言えませんが、値引き額の限界は物件価格の7~10%程になることが多いです。

 

私の勤めていたHMでもそうだったのですが、建売を販売するうえで1棟あたり最低でも1~2割の経常利益を確保しようとします。数字に直すと5000万の物件であれば500万も値引きをすると赤字ギリギリの数値になるので値引き額としてはこちらが限界値と言えるのではないでしょうか。

 

もちろん、そうした事情を知っていたからと言って、買付申込み時点で物件価格から10%の値引き交渉をしても大半は断られます。そこまで値引きをするには何かしらの理由がないといけないわけですからね。

 

特に建売は注文住宅に比べても利益率が低いので、本来は注文住宅のような大幅値引きはできません。これはどんなHMでも共通の部分と言えるでしょう。

 

・・・しかし、実際に300万とか値引きできた人はどういう理由なんだ!?

 

と思われるかもしれません。考えられる理由としては、土地の仕入れがタダ同然の大幅に安く仕入れられたなどの理由から値引きをしてもなお利益が出ていた物件なのかもしれません。それほど、何かしら大きな理由がないと通常これほどの値引きは間違いなくできません。

 

現実的な値引き交渉は物件価格の端数を切って買付けを送ることです。建売はよく3980万とか4480万など半端な数字で売りに出されていることがあります。

 

不動産取引の慣習として端数までなら値切ることができると聞いたことがあるかもしれませんが、現実の取引では実際に端数までなら対応してくれる所も割とあります。

 

値引きはシビアな話題ではありますが、言うだけなら損をするものではないので仲介会社や売主に相談をしてみましょう!素敵な建売の購入が実現できるようお祈りしてます!

 

筆者
正直、値引きについてはブログに書けないネタなんかもあって奥が深いです!埼玉県内であれば建売の仲介も行ってますので、依頼先が決まらない場合は是非ご検討ください!

 

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