家を買う大半の人が利用する住宅ローンですが、これは当然、貸す側となる金融機関も返済が問題なくできる人なのかを見ていることになります。
実務でたまーにある気まずいシーンとして、夫婦でローンを組む際に「夫側がローン審査が0円回答だった。。。」など滞納などが原因で住宅ローンに通らないことがあります。そして、更に気まずいことにこうした数ヶ月の滞納(踏み倒し)がそれまでパートナーに内緒で行われたケースもあり、私の目の前で大喧嘩に発展しまったこともあります。汗
話しがそれましたが、そもそも携帯代の滞納やクレカの支払滞納はどれくらい借手にとって不利になるのか?今回はこの点について解説しようと思います。
携帯代もローンの一種
まず、金融機関から住宅ローンを借りる時、金融機関は何を見てその人の信用性を判断するのかそれは、年収や社会的なステータス、年齢など様々な個別の要因に加え、信用情報というもの閲覧します。
信用情報とは長くなるのでここでは簡潔に説明しますが、個々のローン返済や過去の支払い履歴等は個人信用情報機関という所に登録をされているのです。
金融機関が住宅ローンの申請を受けた際にこの信用情報機関に記録されているあなたの情報を閲覧し、過去に滞納歴がないか、金融事故が起きていないかなどを厳密に確認するのです。
携帯代も毎月一定額、通帳から引き落としがされますがこの携帯代も通信料に加え本体価格も分割で組み込まれていることが大半ですよね。これも立派なローンなのです。もちろん、携帯に関わらず車のローン状況なども当然閲覧されます。
ちなみに税金や水道や電気など公共機関への支払いについては個人信用情報に記載されません。
最も、自営業者の場合はローン審査の段階で確定申告書を提出するので発覚はしてしまいますし、そもそもライフラインの最優先となる電気と水道を滞納してしまっている人は、それよりも優先順位の低いカーローンや携帯代を滞納している可能性が高いのでそもそも審査に通らないこともあります。
滞納の程度によりローンが通ることも
まず、一般的に考えればわかると思いますが、これからお金を貸そうとする人が過去に滞納を起こしていたら誰だってその人にお金を貸すのは考えてしまいますよね。
これは金融機関も同じで過去に滞納履歴がある場合は基本的にはローンが通らないケースの方が多いです。ただ、審査の基準は各金融機関によって異なるので、例えばA銀行では落ちてしまったけど、B銀行ではローン審査に通過したなんてことがあります。
簡単に言うと、1回でも滞納している人には絶対貸さない!という人(銀行)と1~2回はたまたま入れ忘れただけですよね。そこはご愛嬌・・・と言った感じで貸出しをしてくれる銀行もあるのです。
では具体的にどんな銀行が滞納に厳しく、どんな銀行が滞納にある程度寛容なのか?これは融資担当から日々色々な案件を伺う不動産業者であれば知りうることですが、守秘義務ためネットに本来公開できない情報です。そのため、少しぼやかした状態での私の経験則になりますが、傾向としては下記になります。
メガバンクは滞納に厳しい
低金利が魅力の大手メガバンクですが、傾向として大手メガバンクが好む客層は優良かつ社会的ステータスの高い人です。
低金利が実現できる理由の中の一つに住宅ローン破綻の可能性が少ない人に絞って貸出しをしているという金融機関の方針があり、優良な顧客だけを招き入れればローン破綻に掛かるコストを減らすことができるので、イメージとしてそうした低金利を実現する金融機関の中に滞納歴がある人が中々入りづらいという現状も理解できるのではないでしょうか。
地方銀行の中には滞納を考慮してくれる所も
対して、地方銀行は各都道府県に本拠地を置く地域密着型の運営が特徴の金融機関です。最近では埼玉県内で福島県や栃木県など他県に居を構える地銀が進出しているので地銀と言えど選択肢は埼玉県内であれば豊富にあります。
そして、この地銀についてはネット銀行並みの低金利を実現している所から、借入額を伸ばせるところ、七大疾病など団信を拡充した充実の保障が組み込まれるプランを打ち出すところまで本当に様々な方針を持った金融機関があります!
そのため、各県で取り扱える地銀の中には滞納が過去1~2回など軽度な滞納の場合であれば審査が通過できるケースなどが実際にあります。更には、過去を言えばそもそも携帯代の延滞くらいであればそもそも問題ないとする銀行もあったくらいです。
最も、そのぶん金利が高くなるなどデメリットも一緒についてくるケースもありますが、何が何でも家を買いたいからローンを組みたいという人にとってこうした審査基準の緩い地銀の存在がわかれば一考の余地があるといえるでしょう!
筆者は埼玉県内の不動産を主に取り扱っているので、いわゆる審査が緩い・厳しいと言った各行の特徴を把握しているつもりですが、他県においても同じように対応する地銀の中には審査が通りやすいところとそうでないところがきっとあるはずです。
ただ、この各行の審査基準というものは時代の流れによっても変わっていくものであると筆者は認識しています。
例えば、バブルの時などはイケイケどんどんでボンボンをお金を貸していた審査が緩かった銀行であっても他の金融機関がニュースになるような事件や破綻などを起こすと一転して審査が厳しくなってしまったりなど・・・
この辺の事情はよく分かりませんが、おそらく金融庁などから「貸出しを引き締めよ!」などのお達しなどが来るのかも知れません。そのため、こうした審査基準については現在の時勢に合わせた情報収集を行う必要があるのかもしれませんね。
滞納履歴が酷い場合は5年待つことも
住宅ローンは滞納以外にも個別の要因を見て判断されるものなので一概にローンが通る・通らないは決して断言することはできません。
例えば、年収1000万の超大手に数十年在籍している方が携帯代を3回滞納したとなればお金以外の何かしらの問題があると考えられますし、年収200万の人が携帯代を2回滞納していたら貸して大丈夫なのかなと思われてしまうかもしれません。
もし、今回の記事をきっかけに住宅ローン審査を出して残念ながら通過できなかった場合は、滞納をすぐさま解消して信用情報の記録が消える5年を待ってみるというのも一つの手です。
滞納履歴があっても住宅ローンは通る可能性有り!
滞納によってローンが通らないという問題は実務に携わると意外によくある問題でもあります。
ただ、実務上で言わせて頂くとそれでもローンを通したいというお客様がいる場合は、ここでダメなら諦めがつくという銀行を一つ用意しておいてそこでローン審査をかけてみます。埼玉県内で言えば、私の知る限り某地銀になりますがここで審査に落ちたら初めて諦めてもらう・・・と言った具合に。。
何だか少し残酷な回答でもありますが、それだけ滞納はシビアな問題かつ、誰もが陥りやすい部分でもあるんです。もちろん、銀行への審査をかける際は滞納履歴だけでなく、その方の年収や勤続年数、家族構成や健康状態など様々な視点を考慮したうえで提案する銀行を変えたりもします。
ちなみに、複数の銀行にローン審査を出すのは落ちた際に信用情報残るのでやめた方がいいという意見もありますが、これは10や20などあまり多い数の銀行に審査をかけるようなことを除けば関係ないと思います。
結論として、携帯代の滞納があってもローンは通る可能性がある!ただし銀行選びが非常に大切!というのが私の回答です。もちろん、審査基準などの内部の情報はネット公開されていませんし、私がここで書くこともできません。
各銀行の特徴を知るのは、日々住宅ローンの案件を様々な金融機関にかけている経験豊富な不動産業者ということになるので、どうしてもローンを通したいという場合は不動産会社に直接足を運ぶ他ないです。
埼玉県内の建売住宅であれば仲介手数料無料で筆者が仲介させて頂くこともできるので、是非購入を検討している物件がある場合はお気軽にご相談ください。