埼玉県で新築建売を買うと実際の固定資産税・都市計画税はいくらになる?

新築戸建ての購入を検討する上で不動産会社に相談に向かうと、購入に掛かる費用(イニシャルコスト)の部分に関しては資金計画書など詳しい話を聞かせてもらえますが、後々に掛かる費用の部分に関しては抽象的な説明に終わりいまいち理解ができないという相談が当方のブログへよく届きます。

その代表的の諸経費が翌年から発生する固定資産税・都市計画税です。

聞いたことがあるけどいまいちわからない、そんな方に対してこの略して固都税はどんなものなのか、そして実際の費用はいくらぐらいになるのかについてお話をしていきます。

固定資産税とは

出典:新座市HPより 課税明細書

毎年1月1日にその土地や建物(マンションも含む)を所有する方に対して納付義務がある税金です。これは地方税と言われ国に治めるものではなくお住いの市町村に対して納付をします。

毎年4~5月頃に固定資産税の税額が記された納税通知書が届きます。その通知書に基づいて支払いを行うのですが、物件や資産によってはそれなりの金額になることもあって支払い猶予は4期分に分かれております。

都市計画税については固定資産税あわせて課税されるものであり、こちらは公園や道路の整備などに使われる税金となりそれらを合わせて固都税と呼ばれます。

新築建売の税額はどのようにして決まる?

新築建売を例にした場合、固定資産税は以下の計算式をもとにして納付額が決まります。


固定資産税  課税標準額 × 税率1.4% = 固定資産税額

都市計画税  課税標準額 × 税率0.3% = 都市計画税額


シンプルにこれだけとなりますが、まずそれぞれの内容を知らないことにはいまいちイメージができないかもしれないので各部分についてお話をします。

課税標準額とは

課税標準額とは税金計算をする上での基礎となる金額を指し、固都税においては土地・建物それぞれにおいて自治体が基準となる金額の課税標準額を決めるために一度調査に訪れます。

小難しいお話をすると土地については「市街地宅地評価法」をもとに、建物については「再建築費を基準として評価する方法」にそって調査を進めこの課税標準額が決まるのです。

ちなみに後述しますが正確にはこれらの段階で役所が調査するのは評価額と言われるもので、この評価額から各種減税の特例などが適用された数字が課税標準額となります。

ちなみに不動産会社などに相談をすると正確な固定資産税が教えてもらえないことも多いのですが、これは土地や建物の課税標準となる評価額が現状で決まっていないということが原因です。

ただ、土地の課税標準額についてはおおよそ、国が算定する地価公示価格の70%ほどの金額となっていることが多いため自分である程度の計算をすることは可能です。

税率とは

固定資産税の税率についてはほぼ全ての市町村において1.4%となりますが、埼玉県外では1.6%や1.7%に設定しているところもあるようです。(秋田市など)

対して都市計画税の税率については0.3%が制限税率となっておりますが、入間郡三芳町の0.2%や深谷市の0.15%など市町村によっては安くなることが特徴です。

埼玉県の新築建売は大半が税金が安くなる軽減措置が適用できる

出典:総務省より固定資産税の仕組み

固都税の計算方法については上記となりますが、それをややこしくしている要素が特定の条件を満たすと税金が安くなる軽減措置の存在です。(実際は嬉しいものです)

軽減措置は上記の固定資産税額の根拠となる課税標準や税率の部分にある数値を引くことで実際の税額が安くなるため新築を買ってしばらくの間は税金が本来払うべき金額よりも安くなるのです。

小規模住宅用地による特例

この特例軽減措置は200㎡以下の土地に住宅を建てる場合に上述した課税標準額が本来の1/6になるという強力な軽減措置です。広大な土地が取れる一部の田舎を除いて埼玉県内のほとんどの建売は土地が80~120㎡の間になるので大半の建売でこの軽減措置が適用されます。

実際に評価額が600万の土地であった場合、どのくらいの差が出るのかというと以下のようになります。


軽減措置無し 課税標準600 税率1.4%=税額8万4千

軽減措置有り 課税標準600×1/6 税率1.4% 税額1万4千


金額の差が大きく出ていることがわかります。また都市計画税については土地200㎡以下の部分に関して1/3となりこちらも税金が安くなります。

ちなみに県内であれば該当をする人は少ないのですが土地が200㎡を越える場合は200㎡までは1/6、超えた部分に関しては1/3となります。

土地の減税は結構大きなものになるんだな。

また、この特例の軽減処置は〇年間など期限の定めもないので非常に強力な減税となります。

建物部分の軽減措置について

ここまで土地についての特例を話していきましたが、ここからは建物部分の特例についてです。

固定資産税を算出する上での評価額は土地と建物につけられており、建物の固定資産税については建物の評価額をもとに計算をしますがこちらも新築住宅に係る減額措置があります。


評価額(課税標準額)×税率1.4% = 固定資産税額×1/2(3年間) 


赤字の部分が軽減措置の部分です。新築の場合は当初3年間は税額を1/2にします。期間の制限こそあるもののこちらも強力な減税が期待できます。ちなみに注文住宅など実現できることがある長期優良住宅では5年間に期間が延びます。

なお、この軽減措置を受けるには以下の条件がありますが、こちらも大半の新築戸建てが該当するので特に気にする必要はないかもしれません。

  • 住宅の居住部分の床面積が50m2以上280m2以下
  • 令和4年3月31日までに新築された住宅

なお、建物の都市計画税については現状で減税処置などはありませんので建物の評価額(課税標準)に自治体ごとの税率0.15~0.3をかければ税額がわかります。

ここまでの解説でお話したように以下の四つが一年に一度通知をされて納税を行います。

  • 土地の固定資産税(軽減措置有)
  • 土地の都市計画税(軽減措置有)
  • 建物の固定資産税(軽減措置有)
  • 建物の都市計画税

埼玉県で戸建てを買った場合の固定資産税・都市計画税を知りたい

ここまでで固都税についてのおおよそのイメージができたのであれば幸いですが、評価額の部分がイメージできないと自分が実際買ったときにいくらくらいになるのか想像がつきにくいと思います。

まず結論から言うと正確な算定を出すのは不可能です。しかし、県内で建売を購入する場合はおおよそ10万円前後になることが多いです。

建売の場合だと建物の評価額は初年度で600~900万の間ぐらいですが土地の評価額はエリアや駅近などの条件によって全く異なってくるためです。

そのため、一般的には以下のように評価額を算定して実務上は計算をすることがあります。


土地価格×0.7=土地の評価額

建物価格×0.6=建物の評価額


この計算で出した数値をそれぞれの評価額と見立てて計算をしてみると割と近い数字になるはずです。固定資産税については物件購入時に先の見えない税金でありますが、そもそも物件の価格より評価額が高くなるということはまず起こりえないのでそこは安心しましょう。

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