【注意】高く家を売りたい人ほど陥る罠

  • 2022年4月15日
  • 2022年4月15日
  • 売却

今の家を売却したい・・・どうすれば一番高く売れるだろうか・・・

転勤や家族が増えたことにより今の家が手狭になったなど、現在はライフスタイルの多様化により住宅購入後に家の売却を行う人は多いです。

しかし、家の売却は何度も経験することではありませんし大きな資産でもあるので不動産屋に全てを任せるというのは不安と感じている方も多いのではないでしょうか?

今回は家を売るうえで各大手業者の裏側まで知る筆者が注意してほしいことについてお話します。これは効率的に高く売りたいと考える人ほど陥りやすい罠でもあるので是非頭の片隅に入れて売却活動に励んでみてください。

家を売りたい。最初に行う手順

まず今の家を売りたいと考えたときに最初に行うことは、多くの方が不動産会社に足を運ぶもしくは一括査定サイトなどで相見積もりを取って一番の条件の良い不動産業者と媒介契約を結ぶということになります。

この最初の行動においてそれぞれ起こりうるリスクを先に説明しておきます。

不動産会社に相談へ行った場合のリスク

ひょんな気持ちで不動産会社に足を運んで売却の相談を持ち掛けると、その不動産会社は何が何でもあなたの物件を預かろうとあの手この手で媒介契約を結ぼうと考えます。

不動産業者はWEBやポスティングからの電話反響など様々な手段を使って集客を行いますが一番質の良いお客様は直接来店をされる方と考えるからです。これはどの不動産業者も同じです。

もちろん、だからと言って悪徳な契約を結ぼうとする業者は少ないのですが一つだけあなたが相場について無知であると良いように話を持っていかれる可能性があるので、不動産業者へ来店をする前にまず周辺の売却物件をスーモやアットホームなどで確認していくらぐらいで売られているということだけは知っておきましょう。

関連リンク:土地の相場を知る方法

ちなみに不動産は一つとして同じ条件のものが存在しないため相場を完璧に把握することは不可能なのでスーモなどを見て大体これくらいなんだな~くらいの感覚で大丈夫です。

なぜ大体の相場だけを知っておく必要があるのかというと、訪れた不動産会社が預かり物件の手離れを良くするためにあえて低い査定額を出したりする場合もあるからです。

一括査定サイトを使う際のリスク

最近では主流になりつつある一括査定サイトから相見積もりをとって一番条件の良い不動産会社と契約を結ぶというスタイルも大きな罠が存在します。

例えば1社だけ他社と比べて300万ほど査定額が高かったらついついその不動産会社と売却の契約を結びたくなってしまいますが、これは何が何でもあなたの物件を預かりたいその業者の罠であることが多いです。

結論から先に言ってしまうと、売れるかは別として家はあなたの言い値で売り市場に出すことができるからです。

それじゃ、査定ってあんまり意味ないのでは・・・

そうなんです。

査定額はあくまで査定額であり、実際に売りに出す金額は極論売主の希望に合わせられるんです。そんな仕組みの中で他社が足並み揃えて妥当な査定額を提示しているのに、1社だけ高値で乖離をしていたら逆に怪しく感じませんか?

不動産業界は成果報酬がメインの収益となるためにこうしたことが起きるのです。言い方は悪いですが売主となるあなたと売却の契約を結べればその時点であなたからの仲介手数料は確定したようなものですからね。

査定サイトはあくまで相場を詳しく知るために使い、その相場観をもとに信頼できそうな不動産業者に託しましょう。

ちなみに、物件の査定については多くの不動産業者が東京カンテイや査定番頭と言った専用ツールを使い算出しますので各社で大きなズレがでることは少ないです。

高値提示をする業者と契約を結ぶと

前述で査定サイトを使って1社だけ高値提示をするところある場合は怪しい・・・と話しましたが、仮にこの高値提示をする業者と売却の媒介契約を結んだ場合にどのようなことが起きるのでしょうか?

市場の相場よりも高値で売りに出した場合、以下のようなことが起きます。

売却の契約を結んだ業者は不動産業者版のスーモと言われるレインズにあなたの物件を登録し、スーモなどの各種ポータルサイトにも登録を行って反響を待ちますが、当然相場からかけ離れた金額で売りに出すとなかなか売ることができません。

すると次第にこのようなことを言われます。

実際に高値査定を出した業者と媒介契約を結んで、市場に出したものの結局売れずに適正相場まで金額が下がってしまうという話は本当によくある話です。要は適正価格で出していればすんなり売れたはずなのに多くの時間を無駄にしてしまっているという状況なのです。

そして、この過程で媒介を結んだ業者が囲い込みと言われる手法を使う業者の場合だと更に売主は損をすることになります。

売主に損失を生み出す囲い込みとは?

本来不動産というものは、売却をお願いした不動産業者が市場にあなたの物件情報を出して、他の不動産業者がその情報を見て自分のお客様へ提案していき、その中から成約を目指すことになります。

簡単に言うと、どの不動産業者でもあなたの任せている不動産業者を介せばその物件の紹介ができるということです。

全国に無数にある不動産業者があなたの物件を紹介できるので、本来成約までそれほど時間は掛からないはずです。

しかし・・・不動産業者の中には他社に一切紹介をさせないという所もあるのです。

それはなぜかと言うと仲介手数料が関係しています。

物件が無事に売れた場合のお金の流れを話すとあなたは売却を依頼した元付け業者に仲介手数料を支払い、物件の購入者はあなたの物件を提案してくれた客付業者に対して仲介手数料を払います。業界用語で言うと報酬は分かれという状態です。

しかし、ここで仮に元付け業者が悪い人で他社から紹介されたお客様を一切受け付けず、物件の購入者も自分自身で探すという業者だったらどうでしょうか?

あなたの物件を買いたい人がいるのに他社が絡んでいるという理由で元付け業者はそれを許しません。これは実際によくある話なのです。売主からすれば莫大な機会損失ですよね。

なぜ元付け業者がこんなことをするのかというと、それは購入者となるお客様を自分自身で見つけることができれば仲介手数料が購入者からも貰えるからです。いわゆるダブ手(ダブル手数料)というやつです。

これがいわゆる囲い込みであり、これをされてしまうと物件は著しく売れづらくなってしまいます。なんせ本来は全国数十万の不動産業者が一斉に紹介できるのに、元付業者が囲い込みをしてしまうとその1社だけしか購入者となるお客様を連れてくることができないのですから・・・

そして、肝心な点ですがこの囲い込みは大手不動産業者でも行っているところがあったりします。大手であれば集客力も違いますから大きな影響を与えることがない場合もありますが、いずれにせよこれは売主の都合を一切考えていない不動産業界の悪い風習だと思いますね。

囲い込みにより売主が損をする具体的なケース

上述の高値提示をエサにして囲い込みのコンボをすることで、売主となるあなたは最も損をする形で物件を売却することになります。

例えば、売却価格を4000万に設定した場合の仲介手数料は126万(税抜)となりますが、元付け業者が囲い込みをする場合は買主分も合わせて252万の手数料が見えているわけですよね。

まぁそうそう都合よく購入者も自社を見つけることは難しいので、物件が売れない場合はあなたに段々と値下げの提案をしていくわけですが、例えば3500万にした段階で客付業者となるB社から購入者の紹介があった場合、物元業者111万、客付業者111万とそれぞれ仲介手数料が手に入るわけです。

しかし、物元が囲い込みをする場合はここで紹介のお客様を拒否します。ここで申し込みを受託するよりも大幅値引きをして自社で成約した方が会社的に得になるからです。

具体的には囲い込みをすると物件が仮に2000万と大幅値引きで売れたとしても66万×2の132万を手にすることができるので物元業者視点では3500万で他社に客付けをされるよりも得することになってしまうのです。

あってはいけないことなのですが、こうした事態が過去に散々と起きていまして、売主が一方的に損をしてしまうのです。是非売却の際は気を付けてください。

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